誰が僕を惑わせる



「今日も二人欠席か…」


柴田美雨、玉川麗子か…


「先生、ちょっといいですか?」


「ん?どうした?」




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「あ、榎本先生すいません」


「ん?」


「あの、クラスの子に柴田美雨が学校に来てるんじゃないかって言われたんですけど…本当ですか?」


「んあ~来てるよ、毎日」


「毎日?僕一度も会ったことないんですけど…」


「旧美術室に行けば会えるんじゃないかな」


「旧美術室……あの、僕入ってもいいですか?柴田と話したいんで」


「ほい、鍵」


「あ、ありがとうございます」




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一階にある旧美術室は職員室の真反対の位置にある。美術部が3年前に廃部になってからそこはほぼ使われていないと聞いていた


ギィィ……


ノックしなかったけど大丈夫だろうか


「柴田…?」


日の光りが当たらず薄暗いこの部屋ははじめて生徒と会うというだけでは生まれない緊張感を僕に与えた


「柴田?」


少し声を張って呼んでみても反応は無し


「失礼します…」


一歩足を踏み入れると


「……充樹?」


女性特有の柔らかい声が呼んだのは僕にここの鍵を貸してくれた榎本先生の名前だった


「あれ?違うの?」


下の名前で呼ぶところが二人の関係性を表しているようで聞いてはいけなかったのではないかと僕を焦らせた