教室に戻ると、チャイムはあと残り少しで鳴り終わるところだった。
｢加藤星奈ー、東雲結城ー、次からもう少し早く来ーい｣
｢はーい｣
やる気のない先生の声をそのまま返すように、わたしたち2人も適当な返事をする。
結城との関係は、まあよくある家が隣同士の幼馴染み。
親同士が仲良く、物心ついたときにはもう結城と一緒に居た。
家の近くの県立の高校なので、頭の良くないわたしたちは2人揃ってここへ進学した。
そういえば昨日、高橋くんが気になりすぎて寝れなかったんだっけ……。
そんなことを思い出して、充分重くなった瞼を閉じ、意識を手放した。