あたしは視線をチラっとお姉さんに向けたら
「ご丁寧にありがとっ!あたしはこのバカ弟の姉、相川 麗雅(アイカワ レイカ)よ。結菜ちゃんよろしくね」
そう言ってお姉さんはウインクしてきた。
…このお姉さんほんとにおキレイすぎて
あたしなんて…あたしなんて…
「…もういいだろ!!姉貴はとっとと帰れ!!」
「何よその態度!
…まぁいいわ。それにしてもよくあの柊斗をここまで変えたわね?」
「姉貴なんにも言うなよ…」
「え?なんにも聞こえなーい」
そう言って
--バコーーン!!
「いってぇっつってんだろ…バカ姉貴!!」
再度バッグ炸裂。
お姉さんのバッグ…なんか大きくて痛そう…
何が入っているのだろうか…
しかも、ものすごい鈍い音したよ。
「あのね結菜ちゃん。この子ほんとに女大嫌いだったのよ。俺一生1人で生きて行く。独身万歳なんて言ってたくらいでね」
「…そうなんですか???」
さっきまでのあの甘甘甘甘な柊斗からは
信じ難いですよ…女嫌いだなんて。
「そうよ。だから今柊斗の横に女の子がいて、しかも手まで繋いでるなんて、明日世界が滅びるのかと思ったわ」
世界が滅びるって…相当なことだよね。
柊斗は不機嫌な顔して黙って聞いてる。
観念したのかな。
「でもね、ちょっと嬉しかったの。この子にはやっぱり恋してほしいなって思ってたから」
「お姉さん…」
こうやって姉弟喧嘩してても
やっぱり弟だから心配になるんだね。
わかります。そのお気持ち。
「あたし!!絶対柊斗を幸せにします!!誰にも負けないくらいにたくさんの幸せを与えていくので…お姉さん安心してください」
「結菜ちゃん……でも幸せにするのは柊斗!あんたの役目よ!わかった?」
「わかってるよ」
お姉さんはにこって微笑んで…
このにこってした表情がほんとに柊斗と似てる。
さすが姉弟だなぁ。
「じゃあ柊斗が学校ちゃんと行くって言うし、結菜ちゃんっていうかわいい彼女いるみたいだし、あたしは安心して帰れるわ。お父さんお母さんにもちゃんと言っとくから」
「結菜のことは俺が後でちゃんと言うから、姉貴は言うな!」
「はいはい。わかったから。じゃあ柊斗と結菜ちゃんお幸せに」
そう言って、高そうな黒のセダンの車に乗って帰って行った。
嵐のようにきて、嵐のように去って行ったよ。

