こうやって柊斗に抱きしめられてなんとも思わない訳ではない。

これを拒否したら柊斗に悲しい顔させちゃう気がして…

でも現にさっき伊勢谷くんに言われた通り悲しい顔させちゃってるけど。




「ねぇあたしどうしたらいい??」


「なにが?」


「大樹先輩が好きなままほんとに柊斗にこういう風に接していいの?」


「当たり前じゃん」


「でもあたし辛い…」


「辛い??」


「柊斗に抱きしめられるたびにごめんねごめんねって罪悪感が出てきちゃう」


「俺が好きでやってるんだから…」


「でも…」



柊斗がう~んと少し考えて



「…わかった。もう抱きしめないから。ごめんな?だから今までみたいに接してほしい」



「…わかった」




そう言ったらあたしの髪をくしゃくしゃさせて




「もう!結菜っちが嫌がることしないって言ったのに悪かった!」


「嫌なんかじゃ「これからは頭なでなでくらいで我慢する!!」




あたしの言葉を遮って…なんか無理に言ってるように聞こえた。




「結菜っち帰ろうか!」


「うん。帰ろう」






柊斗は普通に戻ってたけど

これで良かったのかって考えたらよくわからない。



柊斗はいつもみたいにあたしを家まで送ってくれた。