ガシッ!

確かに手に伝わる…この感覚。掴んでる…オレは向こう岸へなんとか渡れたのだ。

急いで岸に上がる。それと同時に振り返る。
しかしフードは追ってきていない…なぜだ。

「なんで追ってこない…なんで渡ってこない…?渡らない…?いや、渡れない…?まぁそんな事はいい!とにかく助かった…」

死の恐怖から生還したこの安堵はもう二度と感じられることはないだろう。生きてる感覚…実感がわく…
フードを見ると、もう諦めたのか、こちらとは逆の方向に進んでいる。

「はぁ…助かった……」

そう口にしたその時だった

テレテレテレテレテーン♪

何かが鳴った。それは左手首の方から聞こえた。よく見ると腕時計のようなものがつけられている。本来、腕時計ならば時計がある部分にはこの器具は画面がついている。

「こんなものつけた覚えないぞ…なんだこれは…しかもこのモニターみたいな部分、何なんだ…」

そう考えていた時、画面に何かが映る。
ピエロ…?何か変な仮面をつけた人間が映っている。するとそのピエロが話し出す。

「あはははははははははは☆
やぁ、僕は神の使いだよ\(^o^)/
みんなにはこれからあるゲームに参加してもらうけど…いいよねっ?
まぁ、応募してくれた事だしいいに決まってるだろうけどねっ!
これからみんなにやってもらうゲームは至って簡単!
一定時間ごとに出されるミッションにクリアしてもらうだけさ!
さて、色々わからないこともあるだろうから、順に説明していくよっ!」

なんなんだ…これ…このピエロみたいなやつ…神の使い…?ふざけろ、ミッション?なんだそれ、こんなの尋常じゃないゲームなことぐらい誰だってわかる。だってさっき目の前で人が殺されたんだぞ!?
ふざけるな!くそっ…
そんな事を考えているオレを無視するかのように神の使い(ピエロ)は続ける。

「まず、君たちプレイヤーの人数は40人だよ!
元は42人だったんだけどね…もうすでに二人は死んだよ☆」

まさかさっきの人のことか…こいつ…狂ってやがる…人がしんでんだぞ!?

「そしてミッションをクリアした者には生を、クリアできなかったものには死を。
簡単なことさ!
ではまず最初のミッションだ!
自分とは別の他のプレイヤー1人とこの腕時計のような機械を近づけあうこと、近づけあい、接触の文字が出ればその二人はバトルだ!
バトル形式はなんでも構わない。
二人で決めてくれ!
好きなもので勝負してね!そして、勝ったらミッションクリア。負ければどうなるかはお楽しみっ!♪
ただし、クリアした人がまだクリアしていない人と接触を試みても無駄だよ!
クリアした時点でもうそのミッションのプレイヤーではなくなるからね!」

なるほど…いかに弱そうなやつと勝負するか…ってことか。

「あと、この島にはフードの人間が10人いるよ!
そのフードはミッションに関係無く君たちを襲うよ!
そのフードに殺されてもゲームオーバーだよ!」

さっきのやつ!!そうだったのか…やっぱり…主催側の人間か!

「残り人数が20人に減ったところでミッション終了!
もし、フードに今から20人殺されたとしてもその時点でミッション終了になるからね!
さて、そのフードについてだけど、フードは自分の陣地があってそれの範囲内でしか動けないんだ…フードにもいろんな種類がいるよ!
斧、銃、刀、鈍器…それはあってからのお楽しみ!
以上、それでは皆さんの健闘を祈ってるよ!
GAME STARTだ!
あはははははははははははははははははははははははははははハハハハハハハハハハハハハハハァァァァァァァァァァァ‼︎」

神の使い(ピエロ)は狂ったように笑っていたところで映像は終わる。画面には残り40人という表示…
これは…とんでもないことになってしまった…とんでもないゲームに参加してしまった…勝つんだ…勝って帰る…絶対に!
GAME START…だと?ふざけやがって…絶対に生き残ってやる!



こうして命をかけたゲームが始まった…

残り40人…