「あなたも挑戦しませんか!?時給なんと10万円の超お得なバイト!!!詳しくは37ページへ!」

どこにでもあるごく普通のコンビニでそんな見出しのある雑誌が目にとまる。

そんなうまい話あるわけないだろ、最初はそう思っていた。
しかし、その雑誌には人を引き込む力があるのではないか、そう思うぐらいに気になって仕方なかった。
この時オレは「もし本当なら…」そういう気持ちが何処かにあったのだろう。
興味本位で買った。家に帰り、そのバイトの詳細ページを食い入るように見る。

「このバイトはあるゲームに参加するだけ!君たちがプレイヤーとなってゲームをプレイする、たったこれだけ!
嘘だろう、あるわけない、そう思ってる君。
ならば、参加してみるといい。参加するのはタダだ。終わった後、あなたは大金を手にしているだろう」

はぁ?なんだよそれ。くだらない。
そんなもので金が手に入れば誰も苦労しねーよ。
オレはあざ笑った。
しかし。
最後の言葉がひっかかる、確かに参加してみてもいいかもしれない、
ただゲームをするだけなんだろ?
それでもし、金が手に入ればラッキー、そう考えればいいか、そんな軽い気持ちで応募した。

してしまった。

バカだった。

なんであの時、やめなかった。
なんであの時思いとどまらなかった。
なんで…

この後自分に何が起こるかも知らずに、オレはいつもどうりにベットに入り、いつもどうりに寝た。

いつもどうりに目が覚めてまたいつもどうりの日常が始まる。
そう思っていた。甘かった。

次の日、見覚えのないところで目が覚めた。
「木…?森…?あれ…オレたしかベットで寝てたはず…」

ここはどこだ?
…わからない。
なんでこんなところにいる?
…わからない。

何かを考えようとするとわからないことばかり頭に次々出てくる。
いや、何が起きたのかじゃなく、何をすべきか考えるべきだ。
そう冷静になってやっと周りが見えてくる。
しかしその後すぐにするべきことが直感で脳を経由せずに直感で体がわかった。
今すぐこの場から全力で離れること。

今、目の前で人が殺された。