家に帰ると、和也は何事もなかったように眠り続けていて

俺はといえば、ベットの角で体育座りをして
完全にへこんでいた


あの救急隊や
医者…それに天使様に
俺はきっと、嫁に逃げられた哀れな男と思われてるだろうな…

いや、別にそんな事は
たいした事じゃないんだ

医者に説教されたことだって

別にどうでもいい…

ただ、あの瞬間から

俺の中で忘れてた
痛い記憶が

甦ってきてるんだ…

今、俺には
俺の親父が見える


俺は3兄弟の長男として産まれた

代議士の親父は厳しく
[厳格]
なんて言葉がぴったりな感じだった。