(ガチャッ)
着いたのは屋上だった。
『………で? なんで私をここに連れてきたの?』
『お前に話があって連れてきた』
『話って?』
『お前、桜龍って知ってるか?』
(ドクンッ)
翡翠の口から告げられた言葉に心臓が大きくはねた。
『……………それがなに?』
『質問を変える、お前はここにいる俺以外のやつの名前を知ってるか?』
『栗原 壱瑠は知ってる、さっき本人から聞いたから』
『は?! 壱瑠、まさかお前この女と話したのか?!』
私の言葉にオレンジ頭が反応した。
『…………あぁ』
『マジか、お前女嫌いなおったのか?』
『そんなわけないだろ? 女なんて大嫌いだよ』
『じゃあなんでこの女は大丈夫なんだ?』