私に愛をくれたのは『最強の暴走族』①



『この席になにかあるの?』


『っ』


栗原 壱瑠は黙ったままだった。

なに?
意味わかんないんだけど。


『この席は薫様の席だったのよ!!』


今まで私と栗原 壱瑠との会話を黙って聞いていたパンダたちが騒ぎ始めた。

薫様?
また様付け?
なんなのこの学校は。
後でかっちゃんに文句言っとこ。


『あの、薫様って誰?』


『あなた薫様も知らないの?!』


『知らない』


またアイドルかなにか?


『その席に座っていいのは桜龍の姫だけなの!!、そして私たちの中で姫として認めてるのは薫様だけなの!!!』


桜龍の姫ね………。
ふふ。
懐かしいなぁ〜