私に愛をくれたのは『最強の暴走族』①



『俺が名乗ったんだお前も名乗れよ』


栗原 壱瑠はそっぽを向いて言った。


『ふふ、私は捺村 姫華』


『っ、捺村……姫華……』


栗原 壱瑠はほんのり頬を染めて、私の名前を呟いた。


『えぇ』


『お前転校生なのか?』


『えぇ』


『この席、誰に指定された?』


栗原 壱瑠の声がワントーン低くなった。

この席になにかあるわけ?
まっちゃんなんにも言ってなかったけど。


『あなたの担任だけど?』


『っ』