『俺が名乗ったんだお前も名乗れよ』 栗原 壱瑠はそっぽを向いて言った。 『ふふ、私は捺村 姫華』 『っ、捺村……姫華……』 栗原 壱瑠はほんのり頬を染めて、私の名前を呟いた。 『えぇ』 『お前転校生なのか?』 『えぇ』 『この席、誰に指定された?』 栗原 壱瑠の声がワントーン低くなった。 この席になにかあるわけ? まっちゃんなんにも言ってなかったけど。 『あなたの担任だけど?』 『っ』