姫華はいつもそうだ。
誰にも頼らず自分一人で全てを解決しようとする……。
自分の大切な人たちが傷つくのが大嫌いな姫華。
でも、自分が傷つくのは全然平気な姫華。
あいつはいつも自分が壊れるまで自身を追い詰める。
でもそんな姫華にいち早く気づくのはやっぱり紅蓮だった。
紅蓮自身も姫華みたいな性格だ。
だから、姫華には紅蓮が。
紅蓮には姫華が。
お互いなくてはならない存在だった。
俺はいつも考えていた。
"もし、どちらか片方がいなくなってしまったら"と。
きっと均衡が崩れ、もう片方が完全に壊れる。
俺はそう思っていた。
その"均衡の崩れ"がすぐそばに近づいていることにその時の俺は予測してなかった。

