*真衣side* 5対7 完全に勝たなくてもいい。フリーキックに持ち込めば… 両チーム疲れが見え始め、試合は停滞。 その時、桜庭くんにボールのパスが通った。 コートの真ん中。 ゴールまで、誰もいない。 ドリブルで行くと思った。 「まさか…」 桜庭くんはボールを高く蹴り上げた。 さすがに、この距離じゃ無理。 届かないよ… ボールはスッとゴールに吸い寄せられていき、 『ピピーッ!』 ――入ってしまった。 会場がまた沸く。 すごい。 すごいよ、桜庭くん。