*瞬side*


保健室のドアとグラウンドは繋がっていて、外に出るとすぐに人込みだった。


――まず、楠木のところ・・・


楠木のいる応援席へ踏み出そうとしたとき。


「瞬ーーーーっ!」


遠くから声がして、振り返る。

周りにいた人もそれは同じで、走ってくるその人へと道を開けていく。


「優那・・・」


茶色い髪の毛をクルクルと巻いて、制服姿で走ってくる彼女。

そのまま俺に抱き付いた。


「倒れたって聞いて・・・心配したんだからね!?」