*真衣side*
すぐに先生たちがやってきて、桜庭くんはとりあえず保健室に運ばれた。
「真衣、大丈夫だから」
泣き出しそうになっているあたしを、美月が慰めてくれる。
――急すぎて、全然理解できない。
ただの熱中症・・・?
でも、季節違うし。
「楠木真衣ちゃん?」
「えっ・・・」
声を掛けてきたのは、話したこともないかっこいい人。
「瞬のこと、大丈夫だから安心して」
「それってどういう――」
「よくあることなんだよな・・・っまあ、気にしないで!」
気にしないで、って言われると気になるし。
よくあることってどういうことなんだろ・・・。
「それじゃ」
その人は保健室の方へと走って行った。

