*真衣side*
桜庭くんに手を引っ張られ、どんどん進んでいく。
周りの人を抜いていく。
「桜庭くんっ・・・」
「んー?」
声を掛けると、笑顔で振り返ってきた。
眩しいくらいの笑顔。
「ちょ、速いよッ」
「・・・だって俺、サッカー部のエースだし!」
さらにスピードはあがる。
冬なのに、繋いだ手はあったかくて。
前へ進む背中はかっこよくて。
・・・好き。
「えっ」
鼓動が高鳴っていく。
気づいたら、もう引き返せない。
あたしは桜庭くんが好きなんだ。
「どしたー?」
ほら。
目が合うだけでドキドキしてる。

