*涼介side* 廊下に反響する笑い声を、俺は聞いていた。 ――そして、絶対に見たくないシーンを見てしまった。 瞬の伸ばした手が真衣に触れ、真衣は今まで見たことのない表情で・・・ その瞬間。 不意に瞬が振り返って、目が合った。 わずかに微笑んでいるように見えた。 「――っくそ」 握りしめた拳を空中へ振った。 なんなんだよ、あいつ・・・。 気づけよ、俺の気持ち。