断り続けたが、結局送ってもらうことに…。
先生の車は、凄く落ち着く匂いがした。
「鈴宮…バイトの件は黙っておくが、無理はするなよ?」
『ありがとうございます…』
長い長い沈黙が続く。
シーンという効果音が聞こえてきそう。
そんな沈黙を破ったのは、先生。
「お前んち、どっちだ?」
『えーと…あっ!!さっきの道曲がるんだった!!』
「え?お前早く言えよ…」
『だって…考えごとしてて…』
「何か悩みでもあるのか?」
先生が一瞬こちらを見た。
運転する先生もかっこいいけど、心配そうに見てくる先生は可愛い。
そんなことを思っていると、デコピンをされた。
『ーっ!!いったーい!!何するんですか!!』
「人の話を聞いてない罰だ。お前、これで2度目だぞ?」
