シュンとしてたからなのか、 碧先生が急に「送る」と言い出した。 その言葉に、またしても静まりかけていた胸がドクンドクンと脈をうちだす。 どうしたんだろ…私…。 「杏ちゃん、こいつに送ってもらいな」 『いやいや、いいです!!結構です!!』 「遠慮すんな、大事な生徒に何かあったら俺が困る」 生徒…生徒と言われただけで胸が苦しくて、泣きそうになった。 この気持ちに気づくのは、まだ当分先の話。