「焦ったから、マジで」
ボソッと絢斗が呟いた。
「絢斗・・・?」
「颯志から、連絡あったんだ。結奈が、資料室で居残りだって。だから、俺、靴箱で結奈、待ってたんだ」
そうだったんだ…。
先に帰っていいって言ってもらったはずなのに…。
「そしたら、珍しく凌空から電話があったんだ。焦っていた」
《絢斗さん!!?大変です。今、俺の横を通った女が喋ってたことが、チラッと聞こえて……。篠原結奈、いい気味よ。一生あそこから出られなかったらいいのに。って言っていました…!!》
「それを聞いた俺は、慌てて資料室に向かった。そしたら、結奈、泣いてた…」
また抱きしめる力を強めた。

