水月くんがあたしを連れ出したのは、今は使われていない空き教室。



「ねーねー。
見て見て?
水月くんのおかげであたし。
天才少女になれちゃったよ」



95点以上しかない追試のテストを、誇らしげにピラピラ見せる。



「へぇ。
すごいじゃん。
よくがんばったな」



水月くんは、二重の大きな目を細くして喜んでくれた。