あの、さ……。



これ、ほんと、無理なんだけど。



立ったまま、ストンと眠りに落ちた奥園さんを抱えて、あたふたするオレ。



普通に奥園さんの部屋に連れていって、ベッドに寝かせてあげればいいのだろうけど。



「あーもー。
離せって」



ギューギュー引っ張っても離さない力で、奥園さんは、オレのパーカーを握りしめる。