「べつに。
オレは違うけど」



もたれかかっていた壁から身を起こすことなく、口を動かした。



「んじゃ、なに?
こんなところで、なにしてんの?」



からかうような、歩の声。



その声色にイラッとして、オレは歩の方に顔を向けた。