「なぁ、和彦」



高校の、2年C組の教室で。



前の席に座る、佐藤和彦の背中に、ポツンと小さく問いかける。



「“大好き”って。
どういう意味なんだろうな?」



「……は!?」



一瞬の間のあと、和彦が勢いよく振り返った。