なんか...怒ってる？

「あの...時雨くん?」

「何？」


あ...すっごく睨まれた

えっと...
とりあえず謝っておいた方がいいのかな？



「時雨くん？あの、ごめん.「それ」...え?」

「その“時雨くん”って呼び方やめろよ」



そ、そんなこと言われたって
今まで時雨くんって呼んでたのを


いきなり直せそうにないよ



「言っとくけど変えなきゃ俺の機嫌なおんねーからな」





そっぽ向いてる、やばい

これは本当にやらないとずっとこのままにパターンだ

けどなんて呼べばいいの？

んー...あっちゃんとか?
あきっちとか!

いや、そんなこと言ったらたぶんそれこそ
もっと怒られるだろう




「亜希....くん？」

「くんいらねーけど...はぁ、今はそれでいいか」



良くできましたーっていって

私の頭をぐしゃぐしゃ撫でてきた


もちろん髪の毛がボサボサになったし
もっと撫でるなら優しく撫でてくれたらいいのに



けどその乱暴さが私にはちょうどよくて、

今でもまだ私の胸はドキドキいってる




「ほら、お前の隣にいてやるから寝ろ！」



今だけでも“私の隣”にいるしぐ...亜希くんの

本当の隣にいけたらいいのにと思いながら


私はもう一度意識を手放した