馬鹿なアイツに惚れた馬鹿。

──────キーンコーンカーンコーン




「おい、みんな席に着け!今日遅刻したヤツは………っと」




先生がいつも通りアタシの隣の席に目を向ける。

そしてアタシもいつも通り、右隣の誰も座っていない空っぽの席に目を向ける。


また遅刻かよ。

毎日じゃん……怒



──────ガラッ──────



みんな一斉にその音の元を見る。


出た。

遅刻の大魔神。



「はよー。はぁ眠…ってか授業とか超だりぃ。」




おい!!みんななんか言ってやれ!!
けちょんけちょんに言ってやれ!!





って言っても誰が言う訳でもなく。



あっけなく遅刻連続記録が更新される。



「キャー///」
「健人様ぁあああ//」
「今日も完璧です!!////」


いつものようにドアが開いた瞬間、女子生徒の黄色い声が飛び交う。


いわゆる健人ファンクラブの人達だ。(三分の二)



みんな頭おかしいんじゃ……!?

いや、アタシがおかしいのか……!?



だって…

あなた方が様付けしているのは、毎日遅刻してる最低な人だよ?
完璧!?どこがだよ。
遅刻してる時点で完璧じゃないじゃん←正論



17年間生きてきた中で、一度も恋をしたことがないアタシには、




アイツの格好良さなんてものがわかるわけがない。



うん。

そう願いたい……。汗