「行くよ」

俺がそう言うと飛び跳ねて喜ぶ明歩。

コイツはいちいち大げさだな…


なんて思いながらも嫌だと思わないのは、

明歩がいいやつだとわかっているから。

正直、こんなに喜んでもらえると、悪い気はしないしな。


そんなことを考えながら道場へと向かう。

明歩はずっとしゃべり続ける…かと思ったけど、急に静かになった。


「どうした?」

俺が不思議に思って尋ねると、

顔を赤く染めた明歩は

「だって、恭弥くんかっこよくなってるし…
緊張しちゃうってゆうか…あ、前もかっこよかったけど、それ以上にってことだよ!?」

そう言って急に止まった。

「…なにかあったか?」

俺が尋ねると、涙目になりながら言った

「恭弥くん、幼馴染みのあの娘と付き合っちゃったの…?」

なんで、彼女のことを知ってるのか、

なんて思ったけど、そんなの簡単だ。

明歩の弟がちくったんだろうな。

明歩の弟…歩にはこの話何度もしたからな。

にしても、このタイミングでその話をふるか?ってぐらいバットタイミングだな。