そういった途端泣き出しそうになる明歩
え、え、俺なんかしたか…?
「ちょ、どうしたんだよ?」
「………ぃの?」
「え?」
小さい声で聞き取れない
「気づいてないの…?」
もう一度言い直した明歩
何にだよ…
ぽかんとした顔をしている俺に、明歩は笑顔で言った
「ならいいや!ふられたんじゃないならまだチャンスはあるしね!」
……?
ふられるって、さっきからコイツ何を言ってるんだ?
「ふふっ!ねーねー恭弥くん!
これから師範になってくれるんでしょー?
だったらみんなに挨拶しなきゃ!」
そう言って俺の返事も待たず、手を握って走り出した
…手、ちっせぇな。



