「今の話…ありがとうな」
久しぶりに見た師範の顔は、
昔よりシワが増えてて、
体も細くなってた。
あぁ、年だ
そう感じるくらい。
「俺の事、わかりますか?」
俺は師範に近づき聞いた
「もちろんさ。あの泣き虫恭弥だろう?」
……泣き虫
「師範、それは禁句ですよ!?」
「はっはっはっは」
豪快に笑う師範。
この笑いかたは昔から変わらないな
「…にしても、恭弥強くなったなぁ」
師範が急に発した言葉
え、手合わせしてないのにわかるもんか?
と疑問を持ったけど、師範は続けた
「目がな、昔の俺そっくりなんだよ」
昔の師範…?
「もしかして師範、めっちゃ性格悪かったんですか…?」
「はっはっはー!お前はドラマの見すぎだ!
俺が一番強かった頃の目だよ」
…おぉ、
ってことは、目を見て判断した的な?
師範すげーな。
でも悪いな、師範
「俺きっと、師範より強くなるよ」
そして、葵に勝ってみせる……!



