「もう今更後戻りできないでしょ??」

明歩は困った顔でそう言った

まぁ、そうだけど……

「お?じゃあこの男が君の彼氏ってことかい?」

男はまた笑ってそう言った

は?
彼氏?

どうしてそうなるんだ?

俺たちが黙ってると、男は続けた

「ここの道場は身内以外師範にしないんだろ?
ってことはそうなるじゃないか。」

まぁ、ありえないだろとでも言いたげな様子で言った男。

「それは…」

俺が詰まってると、明歩は叫んだ

「今日、私から告白して付き合ったんです!!

昔から好きだったの!」

…え、

明歩の顔を見ると、カッとしたようだった。

あぁ。

勢いで言っちゃっただけか。

俺はそう理解して、それに合わせることにした

「ってことで、さっさと消えてくれませんか?」

俺が笑顔でそう言うと、男は悔しそうに

「また来るからな」

そう言って帰っていった

ふぅ……

まぁ、明歩に彼氏ができるまで、

俺がここで師範の代わりをすればいい話だな

そう思い、師範に挨拶をしようとしたとき、

師範が隣の部屋から出てきた。