あ、もしかして、私、さっきまでの出来事は夢だった的な?


私は、渡辺皐月でもなければ、相川海の彼女でもなかったし、

岩崎良美の友達でもなかったし、渡辺紅月の娘でも、渡辺夏月の妹でもなかったと。

そして、この小説の主人公でもなかったと。


そういうことなんじゃね?


あー、よかった!ハッピーエンドじゃ~ん!長い悪夢だったわ・・・。


「あ、さきちゃん!目が覚めた?」


うん、夢じゃないことくらい理解していた。