「あっ!!」 ウィンカーに手を掛けた、その時…… 亜美の大声が車内に響く。 「脅かすな。なんだ?」 「あったの!!あった!!」 俺が運転していることを完璧に忘れているだろう亜美は、ハンドルを握る腕を掴み自分のほうへと引き寄せる。 「危ねぇだろうが!!」 「あっ、ごめんなさい」 俺は車を端に寄せ、ハザードをたいた。