「ママ、いいって」 「そうか。じゃあ、着るものとか泊まるのに必要なもの、買いに行くか」 「私は勿論、この格好だよね……」 「それしかないだろ?」 「うん」 「俺もスーツのままで行くから我慢しろ」 そう言うと伸也さんはテーブルに置いてあった、車の鍵を持ち上げ、玄関へと向かう。 私も鞄を持ち、後を追った。