「亜美」 「おい、亜美」 いつの間にか、寝てしまった私は、とてつもない怠さを感じながら目を開けた。 「大学に戻るとか言ってなかったか?」 そうだった。 授業と授業の空き時間に、伸也さんのところに寄ったんだった。 でも、きっともう間に合わない。 「今日は休む」 伸也さんに返事をして、再び目を閉じる。 「新居のこと……」 「ん?新居?」 目を閉じたまま、耳だけを傾ける。