「亜美、どうすんだよ?ここまで引き延ばしたんだから、一軒家は無理だぞ。時間がかかりすぎる」 「…………」 そんなことはわかってる。 そもそも、最初から一軒家を選ぶつもりなんてなかったし。 テーブルの上に沢山の資料を広げたまま、私は伸也さんの横顔をチラ見した。 さすがに、決めないと怒りそうだよな…… 今も眉間にシワが寄りつつあるし。 「ハァ~」 ため息を吐くと、伸也さんの鋭い視線が突き刺さる。 まるで、俺がため息吐きたいくらいだよとでも、言っているみたいに。