「やめてください!!」
あたしは、介君と不良の間に入る。
不良は、地面にうずくまっていて。
介「あー、楓チャンかぁ…
邪魔すんなよな、今いーとこだったのに。」
「介君、ダメです。
これ以上の暴力はやめてください!!」
介「どうして??
オレ、楓チャン守るために暴力を振るったけど、怒んなかったじゃん?
自分のため以外では、暴力振るうなって?
勝手すぎるよー」
そんなんじゃない。
そんなことじゃない。
「だって、アナタはあたしのために戦ってくれたんでしょう…?
本意ではなくても、あたしを守るために戦ってくれたんじゃないんですか?
自惚れだったら謝ります。
でも、介君は少なくとも雲龍の信念を守るために戦ったんじゃないんですか!?」
介「……………。」
「なにかを守るために戦ったのなら、あたしにそれを攻める権利はありません。
その人なりの、プライドがあるからです。
でも、ただの自己防衛なら…
自分を守るために暴力を振るったのなら、それはあたしが止めなきゃいけない!!!!
これがあたしの、理解するものとしての役目だと思うんです。
だからこれ以上、自分を傷つけないであげてください…………!!!」
介「言ってることがムチャクチャだぜー?
オレが自分を守るために戦ってるとしたら、自分は傷つかねぇんだよ?」
わかってない。
ぜんぜんわかってないよ………!!
「だからそれが自分を傷つけてるってことなんです……ッ
自分を守れてるようで、ホントは傷つけてるんです!!
手が痛いでしょう?
人を殴ったんだから当然です!!!!
でも、心も痛いでしょう!?
それは、自分以外のなにかを守るための拳じゃないからです!!!!
これ以上この人たちを殴ったら、介君は一生立ち直れなくなってしまう!!!!」
時間が解決してくれるなんて、ありえない。


