カタキに恋をした。




**カズサside**




…ふぅ。



「まったく、もう」


めんどくさい事をしてくれたものだわ。





そんなこと思いながら、私はまっすぐ歩いていった。



…独りで歩いていると、あの日を思い出す。


ただ広いだけの屋敷を、ベトベトの返り血をまとって歩く私。




ゆらゆらとあちこちで揺れてる炎には目もくれず、ただあえもなくフラフラと───…




、、
彼女の目的も分からず、ただ見えるものだけをなにもできずに眺めていた、あの日。





私は、あの日を決して忘れない。