カタキに恋をした。




───────…



介「んじゃ、これでひとまず説明はOKかなー。」



わらわらと話してるうちに倉庫につき、あたしは今部屋の説明を受けてるところだ。



「はい、ありがとうございます。

…っと、あの、すみません…この部屋は?」



まだ説明を受けていない部屋を指差し、あたしは介君に訪ねた。



すると、介君は顔をしかめる。



…聞いちゃまずかった話みたいだな…。



そう思ってると、介君は苦笑いしながらあたしの質問に答えた。





介「…そこは、入らない方がいいよー。

時雨、怒るから。」


ま、楓チャンは別かもだけどねぇー、と言って、介君はどこかへ行ってしまった。





入らない方がいいって…

時雨君が怒るって…







この部屋には、なにがあるの?



時雨君は、なにをかかえてるの?



時雨君に、なにがあったの────…?








この扉を越えれば分かる、そんな気がした。


   、、、、、、、、
でも、開けてはいけない。



そんな感じがするんだ。

もしこのドアを越えたら、あたしがここにいられなくなるような、そんな感覚。




…結局、あたしは扉のノブに延ばし掛けた手を下ろし、ドアに背を向けて応接室へと向かった。





介「あ、楓チャンきたー。」

応接室に入る前、中からそんな声が聞こえた。



なんで、わかったの...?


閉まっていたドアをあけると、まず先に介君を見た。


すると、介君は、あ、やべ、聞こえてた?といって、やっちまったー、という顔をした。




時雨「...介は、他人より耳がいいんだ。」


すかさず時雨君がフォローを入れる。


なんだ、そうだったんだ。

それで納得してしまうあたしもあたしだと思うが。