「…ありがとう、ございます。」
あたしもキュッと、握り返してしまった。
介「もー、そーゆーイチャイチャは他でやれよォ~」
誠「目が痛いんだけど。」
…あいかわらず反応するのは櫻田兄弟なんだな。
陸「…というか、櫻田さんのお兄さんって介のことか?」
海原さんが聞く。
「そうですけど…」
誠「…ちょっと、全員のこと呼んでみて。」
櫻田さんの弟さんが言う。
なんでそんなこと…?
「えーっと、東雲さん、海原さん、櫻田さんのお兄さん、櫻田さんの弟さん、黒田さん。」
なにがなんだか分からなかったが、とりあえず全員のことを呼んだ。
その呼び方に櫻田さんのお兄さんの眉がピクッと動いた気がした。
誠「はぁ…
筏井さん、俺のことは『誠』でいいから。」
介「オレも、『介』って呼んで~」
陸「陸でいい。」
時雨「時雨って呼べよ。」
霧矢「…ウェルカムも嫌いだが、堅苦しいのはもっと嫌いだ。
霧矢、でいい。」
えぇ…!?
ムリ、そんな急に!
「無理です!絶対ム…」
時雨
「呼べよな?」
こっ…こわい!!!!
東雲さんが怖い!!
(変なところで俺様になんないでくださいよ…)
そう思いながらも、呼び直してみる。
ただ、呼び捨てはさすがに無理なので、君付けで。
「えっ…と。
陸くん、介くん、誠くん、霧矢くん…
……………………………
え、えぇ~っと…」
は、ずかしい…
無理!恥ずかしい!!
な、なんで~?
時雨「俺も、速く呼べよ。」
少々不機嫌なご様子。
これはさっさとしないとやばい…!
「しっ…
し、し…ししし、時雨くんっ…!!!!!!!!!!!!!!!!」
だはぁ、言えたー…!
時雨くんの反応を見ると、ほんのり耳を赤く染めて、それから大層意地悪な笑みを浮かべて、「合格」と言った。


