カタキに恋をした。



時雨「とっ、とりあえずだな!!

なんでか理由を聞こう、そうだ、そうしよう!!」


誠「時雨が照れてる。」


介「時雨、顔が林檎みてぇーww」


櫻田兄弟がケラケラと笑う。




「あっあの…


その…」



理由を聞かれたことによって、あたしの体温は下がっていった。


それと同時に、周りの温度も下がる。




「今夜は…

きっと、あたしだけじゃ抑えられないから…」



ボソッと呟くが、それは誰にも聞き取れなかったようで。



時雨「え、わりぃ、もう一回言ってくんねぇ?」


「あっ、いえ、その…」



馬鹿、なに自分から話そうとしてんの。


いくらこの人たちが、優しいからって…


頼っちゃだめ。

話しちゃだめ。


あたしの過去に、事情に、巻き込んじゃだめ。





時雨「…不安なら、いつでも一緒にいる。」




「え…?」


不意にポツリと、東雲さんが言った。

あたしはその言葉を聞き取れなくて、聞き返す。




時雨「不安なら、いつでも俺がそばにいてやる。」





そう言って、布団の中のあたしの手を、キュッと握った東雲さん。




その頬は、まだほんのりと赤みが残っていて。