時雨「はぁ…断るつもりはない。
楓がせっかく自分の気持ちを話してくれたんだ。
俺だって…本当の気持ちを伝えたい。」
「勝手ね。
筏井楓は後悔してるわ。」
時雨「だとしても、だ。
伝えて後悔したとしても、それが楓の本当の気持ち。
だったら俺は、それを受け止める。」
「だから…!」
ガラッ
あたしがイライラし始めたとき、病室のドアが開いた。
「ここは病院だよ。
静かにしなさい、カズサ。」
あ…なん、で、ここに?
時雨「おい、カズサ…コイツ誰だ…!」
陸「知り合い…か?」
知り合いもなにも、
「兄さん…私の、兄さんよ。」
時雨「兄貴…!?」
陸「そんなの、データにはなにも…!」
秋斗「初めまして、私はカズサの兄、秋斗といいます。
妹がいつもお世話になってます。」
アンタが、兄貴面しないでよ…っ、
「アンタなんか、兄さんじゃない…」
時雨「…え?」
「東雲時雨、悪いけど、余計に筏井楓と交代出来なくなったわ。
兄さんが近くにいるまではね。」
兄さんが接触してきたという事は、筏井楓の役目がそろそろ終わるということ。
そうなれば筏井楓は用済み。
すぐに消されて、それから…
彼女が、目覚める。


