「そういうことになる。
今は…楓を、病院に連れて行くことが先だ。
応急処置なんかじゃ無理そうだからな。
…介、誠。
わりぃ、なんとか…頼めねぇか?
頼む…頼むよ…!!」
2人の家はもう破綻してる。
しかし、親戚が病院やレストランなどをやっていて、そこに頼るしかない。
2人にとって気まずい相手ってことも分かってる。
でも…楓を助けたい。
介「…わかったよ。
時雨の頼みだしね~!」
誠「断るわけにはいかないな。
それに、筏井さんは俺達を救ってくれた。
今度は俺達が救う番だよ。
親戚だって、いつまでも逃げることはできない。」
ありがとう、2人とも…!
一刻も早く楓を病院に連れて行かないと。
誠「病院、案内するよ。」
「わりぃな。」
俺は楓をお姫様だっこして、誠と介の案内で楓を病院に連れて行った。
「楓、平気だよな…」
病院を出て、倉庫に着いたとき、俺は呟いた。
誠「平気だよ、平気に決まってる…!」
介「そうじゃなきゃ…オレたち、なんのために楓ちゃんと一緒にいたんだよ。
楓ちゃんを…守るためじゃなかったのかよ…!!」
陸「俺達は…どうすればいいんだ…」
そんなの…俺にだって分からない。
ただ…
「…俺達の会話を聞いてたって事は、どこかに盗聴器があるはずだ。
まずはそれを捜すことから始める。
…絶対突き止めて、ボッコボコにしてやるよ…!!」
陸「受信機は棄てられていたからもう大丈夫だと思うが、捜すにこしたことはない。」
霧矢「隠すとしたら、ここ…だな。
ここなら重要な話を全て聞ける。」
いや…本当に一つだけなのか?
黒斬を手足に使うようなヤツだ、仕掛けが一つだとは思えない。
「…念のため、部屋全てを捜そう。」


