「…っ楓、楓!!!
お前まで死んでねぇよな?
なぁっ…!?
頼むから……!
目ぇ覚ましてくれ………!」
俺が楓を抱き締めると、楓は少し吐息をもらした。
「楓…?楓…!!」
陸「生きてるみたいだな。
よかった…」
介「…ねぇ、それにしてもおかしいと思わない?」
急に介が切り出す。
「なにがだ?」
介「楓チャンが黒斬にさらわれたのは確かだよね。
でも黒斬は全滅。
楓ちゃんの手錠は外れてるし、血の付いてないマフラーまでまかれてる。
それに、このタイミング。
こんなモノが落ちてちゃあね~。」
そう言って、介はイヤホンと何かを持ち上げる。
「なんだ、それ…?」
陸「それは…!
まさか、盗聴器の受信機…!?」
介「やっぱり~?
ってコトは、オレらの会話を誰かが聞いてて、タイミングを見計らってここの位置情報を送ってきた…そういうことだよね。
つまり、これは仕組まれてた…?」
どういうことだ?
初めからこのシナリオだったってことか?
陸「おそらく、コイツが三吉幹二だろう。」
楓のそばに倒れている男。
銃で殺されてるな…
弾は貫通してる。
「殺されるのは、黒斬にとっても予想外だったはずだ。」
陸「じゃあ、黒斬を動かしてたヤツがいるって事か…?」


