介「そん時にはすでに、誠を可愛がる心なんてなくて、オレは誠が憎いと思うようになってた。
だけど、オレはうまく隠せる。
隠せるから、隠しただけだ。
ずっと、便利だと思ってた。
……でも、ある時ふと思ったんだ。
オレは今なにを思ってんだろ、ってな。
そう考えると、まぁ空っぽでさ。
自分がスッカスカになってたことに気付いたときには、もう遅かった。
自分の思ったことを、素直に口に出せない。
それ以前に、自分の気持ちが分からなくなっちまったんだよ、オレは。
もう、クセ通り越して病気だよなー。
どうやったって、この仮面はとれないんだから。
…っておもってたけど、違ったみてーだ。
案外簡単に、楓チャンにはずされちった!」
また、最後はふざけたように言う。
なんだか、痛々しいよ………。


