「………え?」


みんなが私を、私は瀬野くんを見る。


ニコニコと笑い親指を立てている瀬野くんの考えていることは、正直よくわからない。

“まさかできないなんてことはないよね?”

口パクで確かにそういった瀬野くん。


別に死ぬほど嫌って訳でもないし、ちょっとカチンときた。

「…寺田さん、どうですか?
嫌なら無理してやらなくても…」

「いや、やります!!」


今度は私が先生に被せて言う。


「やります!実行委員!!!!」


先生は少し驚いた顔を。
瀬野くんははまった!とでも言いたそうな顔を。
そして麗なんか口をあんぐりと開けて。


誰かが拍手をしだすと、みんなが拍手を始める。


「がんばー、寺瀬野!」

「寺瀬野!」



……なんか“寺瀬野”とかコンビ名つけられたし。


「…じゃあ、よろしくお願いします。」

先生が言うと、

「最後の修旅、盛り上げまーっす!」

と瀬野くんがふざけて笑う。

けどきっとその言葉に嘘は無い筈だ。


……瀬野くんと一緒なら、頑張れるかもしれない。