一夏の恋






空を仰ぐ。





姫咲はどこかにいるんだろうか。




と、淡い期待を抱いてきた。





やっぱり、思い出すと好きが
溢れる。





だから、思い出さないように
忘れたのに。










と、もんもんと空を
眺めていたら、







どん!




っと背中に強い衝撃。






腹に回される細い腕。











え、まさか新手の痴漢、とか…?




と、あわあわしていたら、










「翔、ちゃん…」