一夏の恋





連絡が途絶えて早一ヶ月、
もう姫咲はしんだんじゃないかと
思うくらいだった。



そんなときの柚流からの電話。


「翔!」




出るや否やすごい勢いで
俺の名前を呼ぶ。



「姫咲ちゃん…海外行ったらしい。」





呼吸も時も、

止まったんじゃないかと


錯覚した。




姫咲は俺の側にいないのも
もちろん、もう日本にいない。