「傷つけて、ごめんなさい。」




目を伏せる姫咲。






「きさ…。
俺よりも、"響ちゃん"が好き?」



頭を撫でて優しく聞く。


最初っから好かれてなんかなかった。
姫咲は最初っから俺のことなんて
好きじゃなくて、利用してただけ。



好きになってもらう価値なんて




ない。






「き…さは…。」



「いいよ、わかってる。
俺がきさを好きだから。」




君の口から好きじゃない


だなんて




聞くのはいつまでたっても
慣れないよ。