一夏の恋






そんなとき、響ちゃんが
ある生徒を注意した。








と呼ばれているのを聞いたことがある。





"翔ちゃん"








"響ちゃん"






名前が似ている






そして、




響ちゃんに雰囲気がそっくりな
彼に、甘えたくなった。





全く知らない、彼。
















"響ちゃんを忘れさせて。"








"響ちゃんがしたみたいに、
私のことを響ちゃん以上に愛して。"







そんな自分勝手な理由で、


翔ちゃんに話しかけた。







"翔ちゃんを好きになりたいよ。"






私の、勝手な都合に
翔ちゃんを巻き込んだ。




でも、翔ちゃんは
受け入れてくれて、私を
愛してくれた。






だから、翔ちゃんのことを
好きになれた、私が今ある。










ごめんね、翔ちゃん。







side. 姫咲 END