少し足早にテラスを出て、 先ほど姫咲がいた中庭にむかう。 (めんどくさいことに、テラスから 中庭は見えても直接は出られない。) ついた頃には、姫咲はいなかった。 さっき彼女がしゃがんでいた所に 同じようにしゃがんでみる。 「なんだよあいつ、 ほんとに不思議ちゃんだな…。」 そこにはありの巣があるだけだった。 なぜ彼女がありの巣を眺めて いたのかは本当にわからない。 ただの不思議ちゃんだ。 と、同時に、姫咲という彼女に、 興味が湧いた。 なにもしらないけど 純粋に好きだと思った。