そんな絡みをしていたとき、
テラスのガラス張りの外に、

彼女をみつけた。



リュックを背負って、
大股でぴょんぴょんしながら
一人で歩いている。


「あいつ…。」




心の声がつい漏れてしまった。


「ん?あの子がどしたの?」

うつ伏せになっている俺に
のしかかって前のめりになる凛香。


「いや…昨日授業かぶってさ。
いままで見たことなかったから。」


「あの子知ってるよー。」





その言葉を聞いて、
凛香がのしかかっていることも
忘れて飛び起きる。



「まじ?!」



「うわあ!ちょーびっくり。
どしたのこわー。」


凛香は自分の腕を抱えて
身震いしてみせる。


「あの子のこと知ってんの?」


「うん、学部一緒。
でもなんで国際の方にいたんだろ。」